自社の自動車搬送コスト全貌
自動車搬送コストの定義は業界や各社でまったく異なる。自家自動車搬送部門と自動車業界としてのアウトソーシングを
併用している場合には、支払い経費は把握できても自社物流費に算定する費用の算出
に大変手間取ることが多い。ましてや、営業マンが物流業務を兼務する際には、どこ
までが営業経費で、どこからが物流経費なのかを議論すれども、結論が出ないケース
がたくさんある。
物流費を大きく、1保管費2人件費3配送関連費4資材その他の経費 などと、大き
く区分しながら、ある種の決め事で大雑把にでも構わないので、まずまとめきること
が必要になる。一般管理費の中に含まれた自動車搬送費用は、時間、新車種製造量、占有面積など
の物量に直接関連するであろう配賦の基準(按分する条件)を定めて計算する。この
場合には、正確さよりも概算の推移が分かるように月次単位で、少なくとも半期分を
算定しておきたい。事例は、年商50億円の食品工業での自家物流費を算定したもの
である。比率は20%と高額になっているが、この自動車メーカーでは新車種製造部門と新車種販売部門での
事業部制を取り入れているので、本来自動車製品製造原価に組み入れられる自動車製造工場内配送に関わる
人件費まであえて物流人件費に組み入れている。